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解説 解説
日本アカデミー賞最優秀賞主要八部門を受賞した『雨あがる』の小泉堯史監督最新作
2001年第24回日本アカデミー賞で、11部門の優秀賞を受賞、作品を含む主要8部門で最優秀賞を獲得した黒澤明遺稿脚本の映画化『雨あがる』。小泉堯史初監督作品ながら、その見事な演出に対する評価は、国内にとどまらず第56回ヴェネチア映画祭でも「緑の獅子賞」を受賞するなど、世界中で高い評価を受けた。
それから2年、小泉監督が自ら選んだ小説「阿弥陀堂だより」を脚色し映画化したのがこの『阿弥陀堂だより』である。長野県での1年間にわたる長期撮影と、豪華なキャスト、優秀なスタッフが実現させた極上の映像世界は、監督自身が「爽やかに吹きぬける風を感じられる作品にしたい」と、語っているごとく清々しい作品として誕生した。
現代社会の中で忘れてしまった、生きることの感動を再び
東京で暮らす熟年の夫婦、孝夫と美智子。医師として大学病院で働いていた美智子は、ある時パニック障害という心の病にかかってしまう。東京での生活に疲れた二人が孝夫の実家のある長野県に戻ってきたところから映画は始まる。二人は大自然の中で暮し始め、様々な悩みを抱えた人々とのふれあいによって、徐々に自分自身を、そして生きる喜びを取り戻していく。

阿弥陀堂だより 近年、経済不況やリストラ、高齢化社会、少子化といったニュースが連日のように報道され、多くの人が人生の進路に不安を覚え始めている。第二次世界大戦後、今まで一度も止まらずに走り続けてきた日本の社会が、全体に息切れをしているような時代。そんな時、自分が“生きている”ことをもう一度考え直すために、奥信濃に帰ってきた夫婦と、それぞれに悩みを抱えた人々の姿が深く胸の奥に残っていく。きっと、この作品が、いつのまにか遠くを見ることを忘れてしまった我々に、もう一度考えるきっかけをつくってくれることだろう。
1年に及ぶ長期撮影が実現させた、美しい映像世界
撮影は長野県飯山市を中心とした奥信濃と呼ばれる地域で行われた。『雨あがる』でも、素晴らしいロケ地を見つけてきた監督と小泉組のスタッフが、古くからの日本の原風景が残る場所を、と探し出した場所である。
四季の変化がはっきりとしており、春、夏、秋、冬それぞれの美しさを描き出すことを可能とさせた。この地で約1年間、撮影日数にして100日以上に及ぶ長期撮影を敢行。1年間の定点観測的な撮影、のべ600人近い地元の人々のエキストラ出演などが、より現実に近い空気感を生み出し、そこでの出来事を一緒に体験したかのような気持にさせてくれる。四季の移ろいと共に見られる風景、祭り、行事、そして季節の風物詩が、誰もが懐かしいと感じてしまう不思議な想いを産み出していく。日本人の心の故郷を映像化したような、そんな不思議な感動を与えてくれる。
最高のキャスト&スタッフによって描かれる、感動の人間ドラマ
主人公夫婦を演じるのは、『雨あがる』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した寺尾聰と、『女殺油地獄』以来実に9年ぶりの映画出演となった樋口可南子。撮影現場でも息がぴったりだった二人は、お互いを支えあって生きてきた夫婦を自然体で演じきっている。また、91歳の大女優、北林谷栄も、死者を守る阿弥陀堂に生活する老婆を、時には可笑しく、時には切なく、熱演している。さらに、黒澤組を支えてきた俳優陣である、香川京子、井川比佐志、吉岡秀隆や、ベテラン田村高廣、さらに映画初出演ながら難役に挑んだ小西真奈美などがしっかりと脇を固めている。
原作は、平成元年に「ダイヤモンドダスト」で第100回芥川賞を受賞した南木佳士の同名小説「阿弥陀堂だより」。今も長野県で医師をしながら、すばらしい作品を発表しつづけている。
音楽を、『大河の一滴』やNHKのドキュメンタリー番組などを手掛ける加古隆が担当。若い女性を中心に大ヒットを記録したヒーリング・ミュージックCD「イマージュ」への楽曲提供などで現代人の心を癒しつづける彼の音楽が、映画により深い感動を産み出している。ほかに、『雨あがる』で日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞した上田正治、最優秀美術賞を受賞した村木与四郎、『八月の狂詩曲』で最優秀録音賞受賞の紅谷愃一、『カンゾー先生』で最優秀照明賞を受賞した山川英明、衣装アドバイザーに黒澤和子と素晴らしい匠が結集している。